non-HDLコレステロール(血液)
基準値
基準値 | 90~149 ㎎/dL |
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この検査で疑われる病気
- 高値:動脈硬化、脂質代謝異常、甲状腺機能低下症、家族性高脂血症 等
- 低値:栄養吸収障害、低βリポ蛋白血症、肝硬変 等
non-HDLコレステロールとは?
「悪玉コレステロール」と呼ばれるLDLコレステロール以外にも、中性脂肪が豊富なリポ蛋白、脂質代謝異常により出現するレムナントなどを含んだ、動脈硬化のリスクを総合的に管理できる指標です。
non-HDLコレステロールは、総コレステロールから善玉のHDLコレステロールを引いたもの。血液中にはLDLコレステロールとは別の悪玉がひそんでおり、それらを含めたすべての悪玉の量をあらわすのが、non-HDLコレステロールの値です。
式で表すと…
non-HDLコレステロール = 総コレステロール - HDLコレステロール
中性脂肪が400㎎/dL以上の高中性脂肪検体や食後採血検体の指標として使われます。
non-HDLコレステロールは、悪玉のLDLコレステロール以外に、中性脂肪が含まれるリポタンパク、脂質異常によりあらわれるレムナントなどを含んだ、動脈硬化のリスクを総合的に知ることのできる指標として注目されています。
とくに中性脂肪が高い人では、LDLコレステロールだけではなく、non-HDLコレステロールの値もチェックすることが望ましいとされています。
LDLコレステロールとnon-HDLコレステロールの両方の目標値を達成すると、動脈硬化性疾患のリスクがもっとも低くなるという報告があります。
また、LDLコレステロールは空腹時に測らないと正確な値が出ない場合があるが、non-HDLコレステロールは空腹時かどうかに左右されずに測定できるという利点もあります。
non-HDLコレステロール値が異常値のときの対処法
コレステロール値の異常は、男性は40~50歳くらいから、女性は閉経を迎える頃から増えはじめる。
放置していると、動脈硬化が進みやすくなり、動脈硬化が進展すると、心筋梗塞や心不全、脳梗塞、慢性腎臓病(CKD)、足などの血管がつまる疾患(閉塞性動脈硬化症)などのリスクが上昇します。
動脈硬化のリスクの高いのは、高血圧や脂質異常症の人、血糖値が高い糖尿病や耐糖能異常のある人、喫煙者などです。
とくに糖尿病のある人では、動脈硬化を防ぐために、糖尿病の発症早期から、血糖値に加えて脂質値と血圧値を包括的にコントロールする必要があります。
糖尿病で高血糖の状態が続くと、血管の壁が損傷されコレステロールが蓄積しやすくなるためで、この蓄積したコレステロールは血管内にプラークという塊をつくり、動脈の壁が固くなります。
プラークが蓄積することで動脈の血液の流れる部分が狭くなり、血液が流れにくくなったり塞がれたりします。
動脈硬化を予防するために必要なのは食事改善が必要です。
また、運動を習慣として行うと、善玉のHDLコレステロールが血液中に増え、動脈硬化を進みにくくなります。
加えて体重コントロールも効果的です。内臓まわりに脂肪がたまると、肥大化した内臓の脂肪細胞から血管を傷つける物質が分泌されと、血管に炎症が起こり、動脈硬化が進行します。
3~6ヵ月で体重を3%減らすだけで、血圧や血糖値の低下などさまざまな効果を期待できます。
食事や運動だけで十分な効果を得られない場合は、薬物療法が始められます。
スタチンと呼ばれる薬は、肝臓で作られるコレステロールの量を少なくしたり、血管に起こっている炎症を抑える作用があり、動脈硬化に対してよく使われています。
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