コリンエステラーゼ(Ch-E) (血液)
基準値
基準値 | 男性:234~493U/L |
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女性:200~452U/L |
この検査で疑われる病気
- 高値:脂肪肝、糖尿病、ネフローゼ症候群
- 低値:肝硬変、慢性肝炎、低栄養
肝臓で作られる酵素のひとつで、肝機能が低下すると値が低下します。
脂質代謝にも関わっているため、栄養過多で起こる脂肪肝や脂質異常症では、値が上昇します。
コリンエステラーゼ(ChE)低値は肝機能低下と低栄養状態があり、急性・慢性肝炎や肝硬変、急性重症感染症、慢性消耗性疾患、悪性腫瘍などがあります。ChE阻害作用を有する薬剤の服用でも低下します。
その他の肝機能が正常値の場合は、慢性的な低栄養状態が考えられます。適切なエネルギー摂取をすること、炭水化物・たんぱく質・脂質を適正な配分でとることに注意してください。
コリンエステラーゼの働き
コリンエステラーゼは、コリンエステル類のエステル結合を加水分解する酵素で、生体内の神経伝達物質や麻酔薬などの代謝に不可欠です。
主に神経系や肝臓で産生され、アセチルコリンという神経伝達物質の分解を助ける役割を持っています。
具体的には、アセチルコリンエステラーゼとブチリルコリンエステラーゼの2種類が存在し、健康診断などで検査されるChEはブチリルコリンエステラーゼです。
ブチリルコリンエステラーゼは肝臓で合成され、血清などに存在します。この酵素はAChを含む様々なコリンエステル類を分解します。
コリンエステラーゼ阻害剤とアセチルコリンの関係
コリンエステラーゼ阻害剤は、神経伝達物質であるアセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼの作用を阻害します。
これにより、主に脳内におけるアセチルコリンの量が増加し、脳内のコリン作動性神経系が賦活化されます。
アセチルコリンの分解阻害
コリンエステラーゼ阻害剤は、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害します。
神経伝達の強化
アセチルコリンの量が増えると、神経伝達が強化されます。
れにより、認知機能の低下が抑制され、認知症の症状の進行が遅くなります。
このメカニズムにより、コリンエステラーゼ阻害剤は、アルツハイマー病やレビー小体型認知症などの認知症の治療に使用されます。
また、重症筋無力症の治療にも使用され、神経と筋肉の情報伝達を強化する効果があります。
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