総蛋白(TP)
基準値
基準値 | 6.5~7.9g/dL |
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この検査で疑われる病気
- 高値:慢性肝炎、脱水症、多発性骨髄腫
- 低値:肝硬変、低栄養、ネフローゼ症候群 等
ほとんどの病気で値が変動するため、もっとも基本的なスクリーニング検査として使われます。
とくにタンパク質の合成に関わる肝臓や、タンパク質の排出に関わる腎臓の疾患で値が大きく変動します。
総蛋白値が高い場合
総蛋白値が高い場合、それは体内のタンパク質が多い状態を示しています。具体的な影響としては以下のようなものが考えられます。
脱水症
脱水により血液が濃縮され、総蛋白値が一時的に高くなる可能性があります。
発性骨髄腫
この病気は骨髄が異常に増殖し、血液中のタンパク質が増加することがあります。
慢性炎症や膠原病
これらの病気は体内のタンパク質を増加させる可能性があります。
総蛋白値が低い場合
総蛋白値が低い場合、それは体内のタンパク質が少ない状態を示しています。具体的な影響としては以下のようなものが考えられます。
肝臓障害
総蛋白の主成分であるアルブミンやγ-グロブリンのほとんどは肝臓でつくられます。そのため、肝硬変や肝臓がんなどで肝臓の機能に障害が起きていると、肝臓でタンパク質が正常につくられなくなるため、総蛋白の低下がみられるようになります。
ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは、腎臓の機能低下によって尿の中に多量のタンパク質が漏れ出てしまい、アルブミンなどの血液中のタンパク質が減少してしまう状態を指します。
低栄養
低栄養状態にある場合も、総蛋白が低下します。特に高齢の方の場合には、食事量が少なくなる、高カロリーのものを食べなくなるといった傾向があり、低栄養になりやすい状態にあります。
総蛋白検査が異常値のときの対処法
総蛋白値が高い場合の対処法
食事療法
特に「塩分を控えた食事」と「タンパク質摂取量の制限」が重要です。
適度な運動
高蛋白質から重篤化しやすい疾病を予防する効果があります。
総蛋白値が低い場合の対処法
栄養補給
サプリメントやプロテインを利用して効率的にタンパク質を摂取することができます。
食事改善
タンパク質が不足する大きな要因は食生活の乱れであるため、食事の改善が必要です。
これらの対処法は一般的なものであり、具体的な対策は個々の病状や体調によります。
総蛋白値が異常値である場合は、必ず医師の指導のもとで適切な治療を受けることをお勧めします。
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