総コレステロール(TC)(血液)
基準値
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2018年4月1日より削除となりました。 |
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この検査で疑われる病気
- 高値:脂質異常症、動脈硬化症、甲状腺機能低下症 等
- 低値:甲状腺機能亢進症、肝硬変 等
コレステロールは細胞やホルモンを作るためには欠かせないものですが、増えすぎると動脈の内側に沈殿して、動脈硬化を進行させます。
食事から摂取する以外にも肝臓で作られるため、肝細胞が破壊される肝硬変などでは、値が低下します。
総コレステロールとは?
血液中に存在する脂質には、HDLコレステロール、LDLコレステロール、VLDLコレステロールなどがあり、総コレステロールとはこれらのコレステロール全体を合わせたものです。
コレステロールは身体を維持するために重要な成分で、身体を構成する細胞の細胞膜、副腎皮質ホルモンなどのホルモンや胆汁を作るために不可欠な物質です。
成人では一日に1,000~1,500mgのコレステロールが必要ですが、食事から摂取するコレステロールは300~500mgで、身体に必要なコレステロールの多くは体内、おもに肝臓で作られます。
高脂肪食の過剰摂取が続いたり、飲みすぎや食べ過ぎでエネルギーをとりすぎると、コレステロールが肝臓で必要以上に合成され、血液中に過剰に存在することになります。
血液中にコレステロールが増えすぎると動脈硬化を進め、心筋梗塞や脳梗塞など動脈硬化が原因となる病気が起こりやすくなります。
また、総コレステロール値が低値のときは、肝機能の異常などが疑われます。
日本人のコレステロール値は、食生活の欧米化に伴い年々高くなっています。
動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く、コレステロール値を上昇させます。これらを多く含む食品(バターや卵黄、うなぎ、脂身の多い豚肉、牛肉など)の摂りすぎには注意が必要です。
植物油や魚油に多く含まれる不飽和脂肪酸や、食物繊維、大豆製品やキノコ類などには血液中のコレステロールを低下させる働きがあるといわれています。
総コレステロール検査でわかること
総コレステロール値は、肝臓での合成のほか、胆道からの排泄、腸管からの吸収や血中リポタンパク代謝と関連し、脂質代謝異常の指標になっています。
また、肝臓や腎臓の病気や糖尿病の状態によっても影響を受けます。
総コレステロールのうち、LDLコレステロールが高いほど、HDLコレステロールが低いほど動脈硬化が進みやすく、心筋梗塞や脳梗塞などの危険因子となります。
総コレステロール検査を受ける際の注意点
コレステロール値は日内変動や食事の影響が少ないので、食事時間などの制限はありません。
ただし、早朝空腹時のほうがより正確な値が得られます。
総コレステロールが異常値の時の対処法
総コレステロール値が異常値を示すときは、まず続発性の病気による異常の可能性を考えます。
高コレステロール血症では、血糖値関連の検査や、肝機能検査、ホルモンの測定を行います。
低コレステロール血症では、肝機能検査やホルモンの測定を行います。
続発性の病気が認められないときは、原発性の病気があるか検査を進めます。
総コレステロール値は、基礎疾患がなくても、年齢や性別、食生活やストレスによっても左右されます。
一般に加齢とともに数値が高くなる傾向があります。また、コレステロールは女性ホルモンと関係があり、閉経後の女性は数値が高くなる傾向があります。さらに、妊娠や経口避妊薬服用によっても高値になります。
高コレステロール血症の場合、食生活を見直し、カロリーが適正でバランスのとれた食事を規則正しくとることが大切です。
また、コレステロールの摂りすぎに注意し、適度な運動を心がけ、過度のストレスは解消するようにしましょう。
適切な食事や運動によっても是正できない場合は、薬剤を使用した治療を行います。
脂質異常症について、さらに詳しく知りたい方はこちらもご覧ください
脂質異常症とは 脂質異常症(診断・治療について)
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