MCI・認知症にならないためにできることは? 健診会 東京メディカルクリニック

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認知症コラム Vol.3 MCI・認知症にならないためにできることは?

認知症にならないためにできることは?

認知症の要因とは?

現在、最もなりたくない病気と言われている「認知症」。
では認知症にならないためにはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。

認知症の中でも最も多い割合を占めるアルツハイマー型認知症の一番の要因は「加齢」です。
ですが、年を重ねることを防ぐことはできないですよね。
「加齢」以外の要因として考えられるのは「生活習慣の乱れ」です。

中年期からの生活習慣の乱れが重なると脳内の血管が、弱い状態であってもだらだらと長引く慢性炎症を起こし、発症の原因のひとつといわれているアミロイドβが蓄積してしまいます。

どんな生活習慣がアルツハイマー型認知症発症の原因に?

ではどんな生活習慣がアルツハイマー型認知症発症の原因になるのでしょうか。
以下の生活習慣をお持ちの方は気を付けてみてください。

肥満や運動不足、痩せすぎ

肥満や運動不足は身体機能の低下などをもたらし、認知機能の低下にもつながるといわれています。
体重に関しては肥満と逆にやせ過ぎも認知機能の低下を招くとの報告があり、太り過ぎもやせ過ぎも避けて適正体重を目指しましょう。
適正体重はBMI(Body Mass Index)※と呼ばれる指数で、日本肥満学会が普通体重と定めている18.5以上25未満が目安です。

※BMIの求め方=体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)
(例)身長172cm、体重67㎏の場合   67÷1.72÷1.72≒22.6 ← 普通体重

脳血管障害

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などの脳血管障害は、血管性認知症の直接的な危険因子であるだけでなく、アルツハイマー病に関わる老人斑などに加えて脳梗塞などの脳血管障害が合併すると、認知症の発症が20倍以上に増加することが報告されており,脳血管障害は二重の意味で認知症の危険因子と考えられています。

高血圧や糖尿病

高血圧や糖尿病も認知症の発症リスクを高めるとされ注意が必要です。
福岡県久山町で行われた疫学研究によると、血管性認知症になるリスクは血圧が正常な人に比べて、老年期のみ高血圧では3.3倍,中年期のみ高血圧では5.3倍,さらに中年期および老年期ともに高血圧では4.7倍といずれも有意に高いことが報告され、糖尿病において発症率の有意な上昇も報告されています。
また、アルツハイマー型認知症になるリスクは、血糖値が正常な人に比べると、糖尿病では2.1倍有意に高いことが報告されています。
(九州神経精神医学,第60巻,第2号 地域高齢住民における認知症の疫学:久山町研究)

喫煙

喫煙はアルツハイマー型認知症に加え、血管性認知症のリスクも高めます。
福岡県久山町で行われた疫学研究によると、中年期(平均年齢57歳)から老年期(平均年齢72歳)にかけて喫煙を続けた場合、この間喫煙しなかった人と比較してアルツハイマー型認知症になるリスクは2.3倍、血管性認知症になるリスクは2.9倍有意に高いことが報告されています。
しかし中年期は喫煙していてもその後禁煙し老年期では喫煙していない場合はアルツハイマー型認知症及び血管性認知症いずれも発症リスクをやや抑えることができるため、中年期で喫煙されている方は禁煙されることをお勧めします。
かつては少量の喫煙が認知症のリスクを下げるとされていたこともありますが、多くの研究の結果、現在ではこの説は否定されています。

社会的な孤立

社会的な孤立も重要な問題です。特に本人や家族が周囲に認知症であることを隠そうと考えると、外出を控え、人との接触を避ける傾向になってきます。
困った時に助けを求められる関係を築くためにも、社会的な孤立は避けるべきです。
このほか、聴力の低下(難聴)もそれによって人付き合いが減って認知症のリスクを高めるほか、うつ状態はそれ自体がアルツハイマー病の症状である可能性もあり、早期治療が求められます。

MCI・認知症にならないために今からできることは?

通常、60歳代後半から増え始め75歳でピークを迎える認知症(若年性認知症を除く)。自分や自分の家族が若いうちは、「認知症が怖い」と知っていたとしても、自分に置き換えて考えるのはなかなか難しいものです。

しかし、認知症の中でももっとも多いアルツハイマー型認知症の場合、症状が出る20年以上前から脳の中でゆっくり進行していると聞けばどうでしょうか。
仮に70歳で発症した人の場合、50歳前から脳に病変ができて、徐々に進行していたのかもしれません。そう考えると、現在40歳代、50歳代の人、あるいは親世代が40歳代、50歳代の人もとても他人事ではありません。

認知症のリスクを高める生活習慣を改めて正しい生活習慣を送ることは何歳から始めても早すぎるということはありません。

なってしまってからでは遅い認知症。
認知症の前段階MCIで気づくことが大切ですが、なかなかMCIで気づくのも難しいですよね。
気になる方は下記のチェックリストも参考にしてみてください。

□高血圧または予備軍である(130/85以上)
□糖尿病または予備軍である(空腹時血糖:100以上またはHbA1c:5.6以上)
□たぼこを吸う
□運動不足である
□中年で過体重または肥満である(BMI:25以上)
(高齢でやせ型である BMI:18.5未満)
□脂質異常症(空腹時中性脂肪150以上、LDLコレステロール140以上またはHDLコレステロール40未満)または予備軍(LDLコレステロール120~139)である
□食生活が乱れている
□毎日お酒(350ml)を2本以上飲む

MCIは認知症レベルほど目立つわけではないですが、もの忘れにより家事や仕事でちょっとしたミスをするなど、本人も周囲の家族も違和感を覚えるようになっている場合が多いです。
2つ以上チェックが入る方や本人や家族が違和感を覚えるようでしたら、当クリニックで行っている「MCIスクリーニング検査プラス」の受診をしてみても良いかもしれません。

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