骨粗鬆症とは 健診会 東京メディカルクリニック

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骨粗鬆症

骨粗鬆症関連コラム

骨粗鬆症とはどんな病気?

骨がもろくなり、骨折しやすくなる病気です。
日本国内の患者数は推計1,280万人といわれているため、国民の10人に1人が骨粗しょう症という計算になります(骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版)
特に女性で多く、年齢が高くなるほど増える傾向にあります。

  • 50歳以上の女性の3人に1人
  • 50歳以上の男性の9人に1人
骨粗鬆症とはどんな病気

骨は常に新陳代謝を繰り返しています(古くなった骨を溶かす骨吸収、新しい骨を作る骨形成)
骨粗鬆症になると、骨吸収の働きが骨形成よりも高まってしまうため、骨がスカスカになり、もろくなってしまいます。
骨がもろくなると、躓いたり転んだり、普段なら打撲などで済むような怪我で、骨折しやすくなります。
特に脚の付け根(大腿骨近位部)の骨折は頻度が高いです。手術が必要で、治療をしてもリハビリがうまくいかないなどから、寝たきりにつながるリスクもあります。

骨折はお薬により予防できるため、骨粗しょう症の早期発見と適切な治療が重要です。

骨粗しょう症の影響とリスク

QOL

骨粗しょう症を治療しないと、骨折しやすくなります。
一度骨折をしたことがある人は、1年以内に繰り返し骨折を起こすリスクが通常の5倍ほどあります。
骨折を繰り返すことによって痛みで動けず、筋肉量が減ります。
筋肉量が減ることで日常動作に支障が出て、運動量が減り、やがては介護が必要になってきます。

骨粗鬆症の初期症状

介護リスク

骨折による長期の入院や、骨折を繰り返すことによって、要介護になるリスクが高まります。
骨折・転倒は、要介護になる原因の第4位です。
特に脚の付け根を骨折した場合、退院後2ヶ月で元通りに歩けるようになるのは10人中4人だけです。
車いすが必要な生活になったり、寝たきりになると、生活環境を大きく変える必要が出てきて、ご家族の負担も増えます。

骨粗鬆症の介護リスク

骨粗鬆症の原因

年齢

加齢は骨粗しょう症の主な原因です。
若いときは骨を作る速度が骨を溶かす速度よりも速く、骨量は20代〜30代でピークになります。
しかしその後は、年齢と共に骨を作る速度が遅くなり、骨を溶かす速度が速くなります。これにより骨の量や密度が減少し、骨が脆くなる傾向があります。

性別

男性よりも女性の方が、骨粗鬆症のリスクが高いです。
女性ホルモン(エストロゲン)は骨の再吸収(壊れた骨を体が吸収するプロセス)を防ぎ、骨量を保つ役割があります。
女性は閉経とともに女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、骨量の急速な減少を引き起こします。

生活習慣

運動不足

定期的な運動は、骨密度を高く保つのに重要です。特に、重力に対抗する形の運動(ウォーキング、ジョギング、重量挙げなど)は骨の健康に良い影響を与えます。 一方、長時間の座った生活や運動不足は骨密度の低下を招きます。

栄養不足

カルシウムとビタミンDは骨形成に不可欠な栄養素です。
乳製品、緑黄色野菜、魚などからこれらの栄養素を摂取することが重要です。
カルシウムやビタミンDの不足は骨の健康を損ないます。

アルコールとタバコ

過度のアルコール摂取やタバコは骨の健康に悪影響を及ぼします。
これらは骨のカルシウム吸収を妨げ、骨密度の低下を招きます。

その他の原因

病気

特に内分泌系や消化系の病状は骨粗鬆症のリスクを高めます。
例えば、甲状腺機能亢進症やクッシング症候群(コルチゾールというホルモンの過剰生産)は骨密度を低下させます。
また、クローン病やセリアック病のような消化器系の病気は、カルシウムなど骨形成に重要な栄養素の吸収を妨げます。

お薬

長期間にわたりステロイド薬を使用すると、骨のカルシウム吸収が減少し、骨形成が妨げられます。
これはステロイド誘発性骨粗鬆症と呼ばれ、リウマチや喘息など、ステロイド薬が必要な状態の患者さんに見られます。
その他にも、特定の癌治療薬や抗うつ薬、制酸薬などが骨粗鬆症のリスクを高めることが知られています。

骨粗鬆症の症状

セルフチェック

発症初期は症状がないことがほとんどです。
症状が現れるときには、既に骨粗鬆症が進行していることも珍しくないです。
自覚できるのは、腰や背中が痛い、背中が曲がってきた、などです。
若い頃に比べて2cmほど身長が縮んできたら要注意です。
また、転んだときに骨折しやすくなるのも要注意です。
これらの症状がある場合は骨粗鬆症のリスクが高いですので、治療をされていない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

Q&A

骨粗しょう症により折れやすい部位はありますか?

骨粗しょう症により折れやすい部位はありますか?

背骨、脚の付け根(大腿骨近位部)、腕の付け根、手首などの骨折が多くみられます。
また、これらの骨折を過去にされている方は骨粗鬆症のリスクが高いですので、治療をされていない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

骨粗鬆症になりやすい人はいますか?また、遺伝しますか?

閉経後の痩せ型の女性は要注意です。骨粗鬆症自体は遺伝しませんが、リスク要因(身体のつくり)が遺伝するため、ご家族に骨粗鬆症の方がいる場合、その人が骨粗鬆症になるリスクは高まります。
気になる方は早めに医療機関を受診しましょう。また、日頃から骨に良い食事と運動を心がけましょう。

身長が低くなったと指摘されました。骨粗鬆症と関係がありますか?

いつの間にか背骨の骨折を起こし、身長が縮んでいる可能性があります。
背骨の骨折は骨粗鬆症のおくすりの開始基準となります。早めに医療機関を受診して、レントゲンを撮ってもらい、治療が必要か相談しましょう。

男性も骨粗鬆症になりますか?

女性より頻度は少ないものの、男性も骨粗鬆症になります。
特に、男性の場合は骨密度の数値が高くても骨質が良くない場合があります。このため、骨密度以外のリスクも総合的に判断しながら骨粗鬆症の評価を行う必要があります。
男性でも、定期的な運動、健康的な食事、タバコやアルコールの適量、そして骨密度検査などを通じて、骨の健康を保つことが重要です。

骨の量は一生変わらないのでしょうか?

骨の量は一生変わらないのでしょうか骨の量は一生を通じて変わります。
骨は常に更新されており、新しい骨が作られ(骨形成)、古い骨が分解されます(骨再吸収)。
若い年齢では骨形成が骨再吸収を上回るため骨量が増えますが、中高年以降では骨再吸収が骨形成を上回るため骨量が減少します。

高齢者でも骨量は回復するのでしょうか?

骨粗鬆症の治療と健康的な生活習慣により、高齢者でも骨密度をある程度改善することが可能です。

思春期や成人期の若い人でも骨粗鬆症になるのでしょうか?

痩せ、過度な日焼け対策、栄養失調、妊娠と出産等、これらは骨粗鬆症のリスク因子です。
骨の健康を維持するためには、若い時期から適度な運動と外出、過度なダイエットは避ける、栄養バランスの取れた食事、カルシウムとビタミンDの十分な摂取などが重要です。

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