肺がんについて 健診会 東京メディカルクリニック

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肺がん

肺について

肺のはたらき

肺は、呼吸によって酸素を体内に取り入れ、二酸化炭素を体外に排出する重要な役割をしています。この酸素と二酸化炭素のガス交換は、肺の中にある肺胞によって行われています。
空気は口や鼻から咽頭・喉頭を経て気管を通り、気管支と呼ばれる左右の管に分かれ左右の肺に入ります。気管支は肺の中で細気管支と呼ばれる細い管に分かれ、木の枝のように肺内に広がり、肺胞と呼ばれる小さな部屋に入ります。

主な部位別がん死亡率の推移

肺の構造

肺は左右に1つずつあります。右肺と左肺の間、つまり胸の真ん中は縦隔と呼ばれる空間がり、そこには心臓、大血管、気管、食道などがあります。
右肺は上葉・中葉・下葉の3つに、左肺は上葉と下葉の2つに分かれています。

主な部位別がん死亡率の推移

肺がんとは

肺がんは肺の気管、気管支、肺胞の一部の細胞が何らかの原因でがん化しともので、日本のがん死亡者数が最も高いといわれている病です。
肺がんは進行するにつれて周りの組織を破壊しながら増殖し、血液やリンパの流れに乗って拡がっていきます。肺がんは喫煙との関係が非常に深い癌ですが、タバコを吸わない人でも発症することがあります。周囲に流れるタバコの煙を吸う受動喫煙により発症リスクが高まることもわかっています。
肺がんは初期症状がなかなか現れず、初期段階で感じる自覚症状もほとんどないため、発見された時にはすでに進行しているというケースが多いという特徴があります。
肺がんの持つ最も大きな特徴は“他の臓器に転移しやすい”という点です。
癌細胞は正常な細胞と異なり、規則性を無視した分裂を行って、周囲の臓器に拡がっていきます。また、この際に血流やリンパ系に入り込み、血液やリンパ液の流れにのって身体の他の部分に流れていくこともあります。
このように、癌が発生した部分から他の部分へ拡がることを「転移」といいます。
肺は呼吸により取り込んだ酸素を身体のすみずみまで行きわたらせるという役割を持つ器官です。そのため、肺は身体のあらゆる部分と関連性をもち、肺で発生した癌が血流やリンパ液の流れによって全身に転移しやすいという特徴があるのです。
また、肺の周りには重要な器官や臓器も多いため、肺がんが浸潤し転移が起こることもあります。

肺がんの種類

肺がんは、小細胞がんと非小細胞がんの大きく2つに分けられます。

  1. 小細胞肺がん
    小細胞肺がんは、肺がんの15~20%を占め、発育が早く、脳。リンパ節・肝臓・副腎・骨などに転移しやすい悪性度の高い癌です。また、喫煙との関連が大きいと言われています。
  2. 非小細胞肺がん
    非小細胞肺がんは、小細胞肺がんではない肺がんの総称で、肺がんの約80~85%を占めています。腺癌、扁平上皮癌、大細胞がんなど多くの異なる組織型があり、発生好発部位、進行形式と速度、症状などは」それぞれ異なります。
  3. 腺癌
    肺がんの中で最も多いもので、喫煙の有無に関わらず発症してしまう肺がんです。
    肺がん全体の約60%がこの腺癌で、近年増加傾向にあります。
    腺癌は、最近まで「喫煙が原因ではない」と言われてきましたが、近年の研究で「喫煙に関係のある腺癌」と「喫煙に関係ない腺癌」が存在することが明らかになってきましました。
    男性の肺がん全体の40%、女性の肺がん全体の70%を占めています。肺の末梢に発生する“肺野型”がほとんどです。
  4. 扁平上皮癌
    肺がんの中で腺癌に次いで発生率の高い肺がんです。
    扁平上皮癌は喫煙との関連が大変深い癌と言われています。
    男性の肺がん全体の40%、女性の肺がん全体の15%を占めています。肺動脈、肺静脈、太い気管支といったものがある肺門部に発生する“肺門型”が多くみられます。
  5. 大細胞癌
    発育が比較的早く、発症率は肺がん全体の約5%と言われています。
    主な部位別がん死亡率の推移

肺がんの原因

肺がんの原因として最も有名なのは「喫煙」です。 タバコは身体の機能や細胞に悪影響を与え、吸えば吸うほど病気にかかるリスクを上げてしまうものです。しかし、肺がんにおいて「喫煙者ではないから発症リスクが低い」と思ってしまうのは危険です。

喫煙

肺がんの原因として、最も明確になっているものが「喫煙」です。
特に、肺の扁平上皮癌、小細胞癌と喫煙の関連性は大きく、これらの肺がんについては非喫煙者が発症することは非常に稀です。
喫煙者のレベルを現す指針に“喫煙指数(=1日の本数×喫煙年数)”というものがあります。この喫煙指数が600以上の人は肺がんのリスクが大変高いとされています。
喫煙者の方が肺がんで死亡する危険度は、非喫煙者の4~5倍ともされています。

女性ホルモン

近年、肺がん(特に腺癌)の発症に女性ホルモン(エストロゲン)が関与しているという研究報告が発表されるようになってきました。最近の研究で、月経の期間が長い女性(月経開始から閉経までの期間が長かった方)や、エストロゲン補充療法を受けた事がある女性に、肺腺癌の発症率が高いことが分かってきており、エストロゲンの量や濃度が肺腺癌の発症リスクを高めていると考えられるようになってきました。

また、女性のなかには肺の細胞に女性ホルモンがくっついてしまう受容体を持っている体質の方がいます。こういった体質の方の場合、肺の細胞の受容体に女性ホルモンが付着することで、その細胞が癌化してしまう可能性があると考えられています。

大気汚染

肺がんのもう1つの原因として外せないのが「大気汚染」です。
呼吸により様々な有害物質(細菌や雑菌、汚れやほこり、化学物質や黄砂など)を吸い込んでいます。これらの有害物質は、気管である程度取り除かれるものですが、肺まで届くものも決して少なくありません。この気管で除き切れなかった有害物質は、肺の末梢部分の肺胞で感知されて除去されるのですが、この時に発生する活性酸素が過剰になると、正常な細胞まで傷つけてしまいます。このことが、肺がんを発症させる一因となっています。

主な部位別がん死亡率の推移

肺がんになりやすい人

肺がんの日本における男女別の発症者数は、全がんの中で男性第3位、女性第5位となっています。問題なのは死亡者数で、現在、日本全国で年間約8万人が毎年罹患しており、そのうち約6~7万人が死亡していると推定されています。

この死亡者数は、全がんの中でもトップで、肺がんが発症する人が多く、治りにくい病気と言ってもよいといわれています。
さらに、肺がんの死亡者数はこの数年で増加傾向にあり、特に男性の死亡者数が増加しています。

主な部位別がん死亡率の推移

 肺がんになりやすい人の特徴 

  • 40歳以上(特に男性)※発症率が急激に増加するのは60代以降です
  • 喫煙者
  • 喫煙指数(=1日に吸うタバコの本数×喫煙年数)が600以上の人
  • 粉塵などを吸い込みやすい環境にある人
  • 肉中心の食生活の方

これらの特徴は、あくまで目安であり、この他にも、遺伝的要因や過去の呼吸器疾患、生活環境などによっても発症リスクは左右されます。

肺がんの症状

肺がんは初期段階では自覚症状がほとんどなく、身体の異変に気づいた時には進行してしまっているということが少なくありません。
風邪をひいたわけでもないのに1か月以上空咳が続く、胸痛がある、痰がでるといった場合は、肺の検査をしていただくことをお勧めします。
また、肺がんの初期症状は肺門型の場合は自覚しやすく、肺野型の場合はほとんど自覚症状がないという特徴があります。
さらに、肺門型の肺がんは胸部レントゲン検査で早期発見をすることが難しい傾向があります。

肺がんで注意したい初期症状

長引く咳

肺がんの患者様の大半にみられる初期症状が“咳”です。
普通の風邪や気管支炎などによっても似たような咳が出るため、咳が出るというだけで肺がんを疑う方は少ないと思います。しかし、風邪をひいていないのに咳が続くときや、同時に胸の痛みがあるようなときは医療機関を受診していただくことをお勧めします。

血痰

血痰とは血の混ざった痰のことです。通常は痰に血が混ざることはありません。もちろん咳のし過ぎで喉の粘膜が少し傷んでいる可能性もありますが、基本的に血痰が出た際には医療機関を受診していただくことをお勧めします。

肺がんが進行した際の症状

肺がんの進行に伴ってみられる症状には、局所の進展によるものと、他の臓器への転移によって起こるものがあります。

  • 局所の進展による症状
    肺がんが胸壁や肋骨、背骨などに浸潤していくとそれに伴う痛みが出てきます。また、神経への浸潤による痛みや嗄声、まぶたが開かないなどの症状がみられるようになります。さらに肺を包む胸膜と呼ばれる膜全体に拡がったときには、胸水と呼ばれる水が胸腔内にたまり、呼吸困難感が出現することがあります。
  • 他臓器への転移による症状
    肺は、全身の血液が集まり通過していく臓器のため、肺がんは非常に転移しやすい性質をもっています。肺がんの場合には脳・肝臓・副腎・骨に転移しやすいのが特徴です。脳への転移では頭痛や嘔気が、骨への転移では腰痛などの痛みがみられます。
    主な部位別がん死亡率の推移

肺がんの検査・診断方法

検診は健康診断や公的な肺がん検査といったもので、肺に異常があるかどうか、痰の中に異常な細胞や血液が混ざっていないかをなどを調べるための検査です。
定期的に受診することで、肺がんを早期発見できるというメリットがあります。主に行われている検査には以下のようなものがあります。

胸部X線検査(レントゲン)

胸部X線検査は肺がんを診断し、治療するうえで最も基本的な方法です。一般的な肺の検診でも使用されています。

喀痰細胞診

痰を顕微鏡で調べて、癌細胞が含まれていないかを調べる検査です。
しかし、癌があっても、この検査で肺がんを発見できない場合もあります。

血液検査(腫瘍マーカー)

腫瘍マーカーとは、癌が作り出す特殊な物質のうち、主として血液中で測定できるもので、癌の性質や拡がりの目安を示すものとして使用されます。肺がんの腫瘍マーカーとしては、CEA、SCC、proGRP、NSE、Cyfra21-1などがあります。
健康診断のオプション検査や、治療後の経過観察などで検査することがありますが、この検査だけでは肺がんかどうかわかりませんし、癌があっても腫瘍マーカーが異常を示さないこともあります。結果については、検査した医師の説明を受けて判断することが大切です。

検診で異常が認められた場合やもっと詳しく検査をしたい時には

胸部CT検査

胸部CT検査は肺がんの検査として欠かせない検査です。
肺がんの検査でまず最初に施行される胸部X線検査ですが、身体の正面から撮影されるもののため、心臓や横隔膜の影になり死角になってしまい、癌があっても発見しづらいという弱点があります。
それに対して、CT検査の場合は身体を輪切りにした状態で撮影をしますので、肺が心臓や胸椎、横隔膜によって見えづらくなってしまうといったことがなく、より精密な検査を行うことができます。
また、CTは高度な機械で撮影・画像処理を行うため、胸部X線検査に比べ画像が鮮明で、病変部分の状態や様子をしっかり確認できるというメリットがあります。

精密検査の際には、より正確な診断をするために造影剤(ヨード造影剤)が使用されることがあります。造影剤の使用は稀に副作用が起きることがありますので、造影検査は医師と綿密な打ち合わせのうえで検査を行います。

胸部CT検査

肺がんが疑われると、胸部X線検査や胸部CT検査により、異常な陰影が写っていないか、リンパ節が腫れていないか、胸水が溜まっていないかなどを検査します。その結果肺がんの疑いがあるときは気管支鏡検査、胸腔鏡検査、生検などを行います。胸水がある場合には胸水を採取して検査を行います。

肺がんの治療

肺がんに対する治療は、肺がんの分類と病期に基づいて、全身の状態や年齢、心臓や肺の機能、合併症なども含めて総合的に検討して判断されます。
治療法としては以下のようなものがあります。

手術(外科治療)

手術(外科治療)

肺がんのある場所や拡がりによって、肺葉の1つか2つを切除する場合や、片側の肺をすべて切除する方法などがあります。手術は治療効果の高い方法ですが、切除する範囲が大きい場合は術後に息切れなどが起こることがあり、術後に呼吸機能がどれだけ残る可能性があるかが、手術を行うかどうかの判断の基準となります。

放射線治療

放射線治療

放射線治療は高エネルギーのX線を身体の外から照射して、癌を小さくする効果があります。
胸部の原発巣やリンパ節転移に対して、根治することを目的に行う“根治的胸部放射線治療”と、骨や脳などへの癌の転移によって起こる症状を緩和する目的で行う“緩和的放射線治療”があります。

薬物療法(抗がん剤治療)

薬物療法は抗がん剤を静脈注射、点滴静脈注射または内服することにより、全身の癌を抑制し減少させることを目的とした治療法です。外科治療で癌が取り除けない場合や、全身に肺がんが転移してしまった場合に選択されることが多いです。

この病気に対応した人間ドックコース

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